ベスト Keizo Kitajima: EUROPEAN DIARY 1983-1984 [SIGNED]

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北島敬三 著 LITTLE BIG MAN BOOKS 2019年 ハードカバー 函付 サイズ: 270×174mm

日本人写真家、北島敬三の作品集。本書に収録されている作品は一部を除きそのほとんどが初公開作品となる。1983年、作者は観光客ではなく写真家としてヨーロッパを旅した。当初はその作品を元に展覧会を行う予定だったが、結果的にその写真が日の目を見ることはなかった。これには「人はいつ写真家になるのか」という問いに直接結びついた奇妙な計画が関連している。2019年、LITTLE BIG MAN GALLERY(ロサンゼルス)で開催された本書と同名の展覧会は、この問いに対する答えを示すものである。作者は35年の時を経て初めてこの土地を撮った写真家となったのである。言い換えると、この写真群が出版するに値する作品となるためには、この35年の時間が必要だったということでもある。この空白の期間が、撮影された当時には存在しなかった「距離」を作り出す。こうしてこのイメージたちは、作者本人にとっても我々にとっても、等しく遠い存在となるのである。撮影された1983年から1984年にかけて、作者は実際にベルリン、ワルシャワ、プラハを訪れているが、今となっては当時と現在の間に時間的な距離が存在するがために、作者を含む誰にとっても写真の中の光景に自分の体験を重ねることは能となった。あまりに長い時間が経過しているため昨日撮影したばかりだと主張する写真家は存在するはずもない。作者はカメラという機械を介した視線と個人の視線とのギャップを獲得するために35年も待ち続けた。作者の写真家としての道のりは、このギャップとの絶え間ない格闘であったともいえる。作者が発行してきたフォトジン『写真特急便 東京』で発表した、強烈なフラッシュを使用したコントラストの強いスナップショットが代表格でもある初期の作品群は、「見たことがある」「行ったことがある」かどうかばかりに関心を抱き、機械的なまなざしを曖昧にしてしまう鑑賞者の目から逃れることを目的としていた。この戦いの一環として、作者は沖縄とニューヨーク、崩壊直前のソビエト連邦と東ヨーロッパへ訪れている。(twelvebooks)

新刊です。




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